利便性を高めてシステム活用を促し定着化支援を超えたビジネス価値創出に貢献

 
WalkMe事例
 

全国に約5万店の代理店を有する損害保険会社の東京海上日動は、保険業界を取り巻く事業環境の変化を背景に、自社開発の代理店向けCRMシステムをSalesforce Financial Services Cloudで刷新。従来のシステムから操作性が大きく変わるにも関わらず、コロナ禍で集合研修を実施できなくなったことを踏まえWalkMeの導入を決め、慣れないシステムの定着化を支援した。本稼働後もWalkMeによる速やかな改善対応で利便性を高め、代理店による新システムの活用を促し、お客様への更なる価値提供の取り組みをドライブしている。

代理店の皆様からの不満や改善要望の声に対して、問題を解消するWalkMeという手立てがあるのは大きな強みだと感じています

和田 幸音氏

CX・プロセスデザイン部 新プロセス開発グループ マネージャー

 
 

 


 

1879年に日本国初の損害保険会社として誕生し、業界のリーディングカンパニーとして社会が直面するあらゆるリスクに挑み、社会の発展を支えてきた東京海上日動火災保険株式会社(以下、東京海上日動と略)。1996年には生命保険事業分野にも進出し、損害保険と生命保険の両面から保険事業を推進している。

 

「お客様に“あんしん”をお届けし、選ばれ、成長し続ける会社」を長期ビジョンとして掲げ、2021年度からは、「成長への変革(“X”)と挑戦2023 ~『品質と想いで最も選ばれる会社』を目指して~」と題した中期経営計画をスタート。先の見えない環境下においても、「お客様や地域社会の“いざ”をお支えし、お守りする」という使命の実現に向けて変革(“X”=トランスフォーメーション)に挑戦すると同時に、お客様の“いざ”というときのために新たなテクノロジーを活用して「保険の力を高め」、保険によるあんしんを「日本の隅々まで、更には世界中に広げる」ことに積極的に取り組んでいる。

 

こうしたお客様本位の業務運営に加え、カスタマーエクスペリエンス(CX)向上の取り組みを推進していくために、2020年4月には「CX・プロセスデザイン部」が新設された。実際のお客様の声に耳を傾けながら、業務プロセス全体のデザインおよび変革を通じてお客様にとっての「心地よい体験」を実現し、東京海上日動のファンを醸成していくことを目指す部門だ。2008年より全国約5万店の代理店向けに提供してきたCRMシステムの刷新を決めた背景にも、保険業界を取り巻く事業環境の変化のスピードが増し、ますます不確実性が高まる中で、従来どおりのお客様対応では顧客満足度の向上が難しいとの課題意識があった。東京海上日動火災保険株式会社 CX・プロセスデザイン部 新プロセス開発グループ マネージャー 和田 幸音氏はこう振り返る。

 

「もともと代理店の皆様の要望を踏まえて自社開発したシステムの評判は悪くありませんでした。ただ、多様な接点を通じてお客様の声や代理店の皆様の意見を蓄積する仕組みは出来ていたものの、それを組織として可視化し、オムニチャネルでお客様により良い価値をお届けするために活用していくには物足りなさを感じていました。デジタル化の急速な進展によりお客様の購入に至るプロセスも変化していることから、お客様の期待を超える価値を提供しないといけないという危機感を感じていました。」

 

そこで新たな代理店向けプラットフォームとして採用されたのが、米Salesforceの金融機関向け顧客情報管理サービス「Financial Services Cloud」だ。これにより組織全体で顧客情報の集約を図ると共に、代理店とお客様とのデジタル接点を強化し、お客様にさらなる安心をお届けできることを目指したのである。

 



東京海上日動火災保険株式会社 CX・プロセスデザイン部 新プロセス開発グループ マネージャー 和田 幸音氏(左)
東京海上日動火災保険株式会社 CX・プロセスデザイン部 新プロセス開発グループ 金秋 貴大氏(右)

 
 

 

大規模なシステム刷新を前に、同社は、いかに早期定着化を図るかという課題に直面した。「スクラッチで一から開発してきたシステムが、ある日を境にパッケージ商品に変わるということで、かなり不安があったのは事実です。既存システムとは見た目も仕組みも大きく異なりますので、ユーザーが操作に慣れるまでに時間がかかることは想像に難くありませんでした」と和田氏。

 

しかも、サービスインを予定していた2020~21年に新型コロナウイルス感染が拡大し始めたことで集合研修が行えなくなり、さらにハードルは高まった。対面での研修が行えないことを前提にスムーズに利用を開始する方法を模索した結果、デジタルアダプションプラットフォームWalkMeに着目。和田氏は、「詳細な操作マニュアルを整備するという選択肢もありましたが、画面操作を直接ガイドしてくれるようなツールを探していたところ、WalkMeに出会いました。パッケージ商品のため各画面をニーズに合わせて変更することはできませんが、WalkMeはSalesforceとの親和性も高く一定程度ニーズに合わせた実装ができ、新システムのスムーズな利用開始が実現できると判断して導入を決めました」と説明する。

 

新代理店システムへのWalkMeの実装は、WalkMe社との二人三脚で進められた。「WalkMe社から毎週のように担当者に来ていただき、ベーシックな機能やコンテンツ作成について実際に手を動かしながら学んでいきました。最初に実装したのは、ガイダンス機能がメインです。各画面の機能を紹介したり、具体的な操作方法や補足情報を吹き出しで表示したり、必要に応じてガイドを提供することで、ユーザーが迷いなく操作を完了できるようにしました」と、新プロセス開発グループ 金秋 貴大氏は語る。

 

本稼働後も、利便性を高めるために代理店の声や要望を基に、つまずきやすそうな箇所に操作ガイドを追加搭載している。また新たな機能などを追加する際には、関係者を集めて第三者目線でレビューを行い、タスクを完了するまでに複数ステップを要するようなプロセスを中心にWalkMeで操作を自動化することで、新機能の早期活用・定着支援を図っているという。今後はWalkMeの分析機能の活用も検討しているという。

 

 
 

 

現在も全国の契約代理店に対し新CRMシステムへの移行を順次進めている。従来のシステムと大きく操作も異なり、戸惑いも大きい中ではあるが、代理店からは、「ガイダンスによって何をすれば良いかわかった」「入力や設定の負担が軽減された」といった声も聞こえている。ユーザーにとっては、一つひとつの機能がWalkMeなのかSalesforceなのかを特段意識する必要がないため、気づかないケースも少なくない。「代理店の皆様からの不満や改善要望の声に対して、問題を解消するWalkMeという手立てがあるのは大きな強みだと感じています」と和田氏。

 

金秋氏も実装担当の立場から、「より使いやすくするためにSalesforceそのものに手を加えるとなると、軽微なユーザーインターフェイスの改善でもシステム開発に工数や時間を要してしまいます。WalkMeを使えばノーコード、ローコードで非システム部門の社員でも速やかに改善対応ができるのは大きなメリットです。代理店の皆様からのご要望を集約し、実装した機能では、画面を何度もクリックしなければ設定できなかった操作をワンクリックで完了できるようにしたことで、オフィス内で感動の拍手が沸き起こったいうご報告もありました」と語る。

 

これまでは、集合研修だけでは理解が追い付かないユーザーが一定数いたが、自動化により迷いの原因となる複雑な操作を極力排除していくことで、こうしたユーザーが新しいシステムに慣れるまでの時間は短縮されている。WalkMeによる利用状況の分析結果によると、代理店によるWalkMeの利用実績は毎月平均で340,000 回に達しており、定着化支援への貢献が伺える。

 

 
 

 

「使えば使うほど、こんなことまでできるのか!という発見があります」と金秋氏が語るとおり、WalkMeなら様々な設定を自動化できてしまうため、今後の活用に大きな可能性が拡がっている。実際、さらなる利便性向上に向けた改善対応や、システム操作を簡素化する自動化の推進など、WalkMeへの要求はますます増えつつある。

 

今後目指す姿として、東京海上日動グループの1万7000人の社員と、全国の代理店が新代理店システムを通じて1つになり、カスタマーフィードバックデータを取り込みながら、より良い価値提供を行うという将来像に向けて第一歩を踏み出した今、WalkMeを通じて使いやすいものになればなるほど代理店による活用が進み、同社のビジネスにとって重要な武器となることは間違いない。「より多くの代理店の皆様に使ってもらってこそのシステムです。もっともっとご利用いただけるように、WalkMeの機能を駆使しながらスムーズに使える環境を整えていきたいですね。」(和田氏)

 

デジタルトランスフォーメーションによって、「人」にしかできない寄り添う対応を実現し、お客様や地域社会にとってなくてはならない会社、“Good Company”を目指す東京海上日動。同社が「お客様の体験」をデザインしていく上で、WalkMeが単なる定着化支援にとどまらない価値を提供しようとしている。

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