データドリブン人事の実現に向け有益な情報を生み出す精度の高い入力を促進

 
WalkMe事例
 

通信事業にとどまらず、さまざまな事業領域で新たな価値創造に取り組むNTTドコモでは、SAP SuccessFactorsの導入や専門性を軸とした人事評価制度への改正など、データドリブン人事への変革を進めている。分析に必要なデータの精緻化に重きを置き、社員に求められる複雑で細分化された情報の登録オペレーションをWalkMeで補助。WalkMeの分析機能を使い、システムを改修することなく操作環境の継続的な改善を重ねることで、情報の活用フェーズを見据えた質の高いデータの収集を可能にしている。

機能が豊富なだけではなく、一つひとつのオブジェクトが美しくて見やすいことや、コンテンツを作りやすいこと、分析機能が充実していることなどを総合的に評価してWalkMeの導入を決めました。特に、WalkMe Insightsを使ってサイト上でのユーザー行動を追跡することで、継続的に改善を図れる点が非常に気に入りました。

郡 康之氏

総務人事部 人事戦略 HR tech担当課長

 
 

 


 

1992年の設立以来、株式会社NTTドコモは、日本中の人やモノや街や、あらゆるものが高品質なネットワークでつながり合う便利で快適な生活を提供するために、土台づくりに取り組んできた。その土台の上に、より新しい生活価値やライフスタイルを生み出し、社会を大きく変えていくために、ブランドスローガン「あなたと世界を変えていく。」のもと、これまで培ってきたテクノロジーをオープンにし、さまざまな事業領域で新たな挑戦を続けている。また、その確実な実行に向けては、社員一人ひとりの成長を企業成長につなげる戦略的な人材の採用や配置、育成が不可欠であり、そのためのさまざまな人事改革の取り組みが進む。

 

2020年4月には、新たなタレントマネジメントシステム「SAP SuccessFactors」を導入。これはNTTグループとしての意思決定であり、ドコモグループに在籍する約3万人を対象とした大規模な刷新となった。また、2022年7月に総務人事部内に設置された人事戦略・HR Tech担当においては、人事担当の属人的な判断による人材マネジメントから脱却し、データに基づいた客観的かつ戦略的な人事マネジメントへの転換を目指している。

 


株式会社NTTドコモ 総務人事部 人事戦略 HR tech担当課長  郡 康之氏

 

データドリブン人事を実現するためには、当然ながら、求める分析が行える状態にデータが整備されていなければならない。分析の対象となるのは、社員自身が入力するデータがすべてだ。SAP SuccessFactorsの導入を機に評価に必要なデータが順調に蓄積されていくはずだったが、そう簡単ではなかった。社員のスキルやポジション、目標、研修などの情報が一元管理できる環境は整ったが、既存システムに慣れ親しんでいた社員にとっては新しいシステムのオペレーションに戸惑うことが多く、定着化に思わぬ苦戦を強いられることになったのだ。
「社員には、新しい環境に不慣れな中でもなんとか入力してもらっていたのですが、こちらが望むような情報が取得できなかったり、必要な情報が欠損していたりして、分析等の活用に支障が出るような状況もありました」と郡氏は振り返る。

 

 

定着化支援として1,000ページを超えるマニュアルを作成したり、勉強会を開催したり、社内のコミュニケーションチャネルを充実させることで問い合わせをしやすい仕組みを作ったりもしたが、いずれも決定的な解決策にはつながらなかった。マニュアルを調べたりヘルプデスクを利用したりするのではなく、もっと直感的に問題解決を支援できる方法が必要だと考えた同社は、デジタルアダプションプラットフォーム(DAP)に着目。中でもグローバルで多くの先行事例を持つWalKMeに期待を寄せた。

 

「機能が豊富なだけではなく、一つひとつのオブジェクトが美しくて見やすいことや、コンテンツを作りやすいこと、分析機能が充実していることなどを総合的に評価してWalkMeの導入を決めました。特に、WalkMe Insightsを使ってサイト上でのユーザー行動を追跡することで、継続的に改善を図れる点が非常に気に入りました」と郡氏。今後も人事戦略や制度面の変革が避けられない中で取得したい情報がどんどん変化していくと考えると、ユーザーに無理を強いるのではなく、”使いやすさ”に寄り添い続けるWalkMeの存在は心強い。

 


 

現に、WalkMeなら、仕様変更ができないクラウド型サービスを自社仕様に容易にカスタマイズできる。このメリットを活かして、同社はWalkMeの導入後、SAP SuccessFactorsのユーザビリティ向上を次々と実現している。たとえば、WalkMeで独自のメインメニューを作成。ユーザーが瞬時に「何のためにどこを操作すればよいか」が明確に伝わるようにした。また、ユーザーの迷いをなくすため、ユーザーにとって意味のない操作はWalkMe側で自動化することで徹底的にスキップするようにした。さらに、画面上にガイドを表示し、マニュアルを参照することなく操作を完了できるよう補助している。ユーザーの利用状況はWalkMe Insightsで可視化しているため、ユーザーが離脱してしまうポイントを特定してその原因を明らかにし、随時改善を加えている。WalkMeなら、WalkMeを実装していない箇所に関してのデータも計測できるため、タレントマネジメントシステム全体で問題点を可視化することも可能だ。



 

WalkMeの利活用にあたっては、プロジェクトに伴走するパートナーとしてWalkMeのカスタマーサクセスマネージャーにも力になってもらっているという。
「WalkMe Insightsの活用は、WalkMeのカスタマーサクセスマネージャーに相談しながら進めています。『As-Is』と『To-Be』を整理し、そのギャップを課題として共有した上で当社にとって本当に必要なものを一緒に考え、適切なアドバイスをいただけるので助かっています。WalkMeの一番の魅力は『人』ですね。これは最終的に導入の決め手になったポイントでもあります。」(郡氏)

 

 

システム改修を行わずに独自の使い方を実現できるWalkMeのメリットが最大限に発揮されたのは、2023年4月、NTTグループ全体での人事評価制度改正のタイミングだった。事業分野ごとに求められる専門性を軸とした新たな人事評価制度が導入され、SAP SuccessFactorsにおけるオペレーションにも大きく変更が入ったのだ。「WalkMeがない状態で運用していたとしたら、複雑化する一方の登録オペレーションにユーザーがアレルギー反応を示し、おそらく”やらされ感”だけが強まっていたと思います」と郡氏は想像する。

 

WalkMeで新たに設定した操作ガイドやショートカットボタンなどが有効に機能することで、特に大きなトラブルはなく、ユーザーによる業績目標の登録率は期限までに80%以上を達成。制度改正により登録すべき情報が細分化する中で、これまでと変わらぬ登録率を維持できたことは十分な成果に値する。また、SAP SuccessFactorsに関する操作について、WalkMeで実装したショートカット機能の活用状況などから試算した結果、社員一人あたり最大で年間60分以上の操作時間を削減できていることも明らかになった。1,000ページのマニュアルから重要な部分だけを抜粋した100ページ規模のマニュアルは、WalkMeがその役割を担うことで不要になっている。ある程度、実装作業を内製化できるようになったことで、WalkMeによる機能改善のスピードもより一層高まった。

 


 

さらに注目したいのは、社員が登録するデータの質である。WalkMeで記入例を提示することで、キャリアデザインシート「高めたいスキルについて」の項目に、より具体的に記入する社員の割合が70%を超えた。単にユーザビリティを高めるだけでなく、社員が登録するデータの精緻化を強く意識しながらWalkMeの活用を進めているからこその成果である。一つひとつが、人事に関するデータドリブンな意思決定のための大切なデータなのだ。

 

 

 

 

「WalkMeのおかげで着実に社員のWILL(希望)やSKILL(能力)が可視化されつつある今、これから我々が大事にしていかなければいけないのは、収集した情報を活用して、最終的にEmployee Experience(EX)の向上につなげていくことです。その実感が社員にない限り、会社が入力しろというから入力しているのに使いづらい、入力できないという不満につながりかねません。入力して良かったと思える有益な情報がそこから生まれるようになれば、システムそのものの活用の仕方も頻度も変わってくるでしょう。有益な情報を生むための人事情報分析基盤を支えるツールとして、引き続きWalkMeの存在が欠かせないと考えています」と郡氏。

 

同氏は数名の有志メンバーとともに、WalkMeを実装している企業の人事担当者を集めたユーザー会を発足。WalkMeそのものの使い方にとどまらず、WalkMeをより効果的に運用するための組織編成や、人事システムの使いこなし術など、企業の枠を越えたネットワークが作る「集合知」にこそ課題解決のヒントがあるとして期待を寄せている。当然ながら、単なる業務の効率化ではなく、データの質と量の向上にフォーカスしたNTTドコモの事例は、他のユーザー企業からの注目も熱い。NTTドコモのデータドリブン人事にWalkMeがどう寄与し、会社の未来をどう変えていくのか。その可能性は未知数である。

 

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