約19,000ユーザーの定着化支援をデジタルの力で変革しシステム価値を最大化

 
WalkMe事例
 

「“はたらく”に歓びを」をキーワードに、デジタルの力で“はたらく”の変革を推進するリコーでは、2019年に国内リコーグループ約19,000名を対象に導入したSaaSベースの間接材購買システムの定着化に課題を抱えていた。操作性の改修が後手後手になっていたところにWalkMeと出会い、トライアルを通じて手応えを感じ導入を決定。マニュアルに頼らなくてもストレスなく操作できる環境を実現した。さらに、かゆいところに手が届くWalkMeの豊富な機能を使いこなして、eGRIPの価値を最大化しようとしている。

WalkMeには、かゆいところに手が届くだけの十分な機能があるので、今後は“いかに使いこなせるか”が試されるのかなと思っています

日景喬一氏

プロフェッショナルサービス部 間接材購買センター GPT推進室 購買プロセス改善グループ

 
 

 


 

創業以来、事務機器や光学機器の提供を通して“はたらく人”を支え続けてきたリコーは、人々の生活や働き方が大きく変化するなかで、一般オフィスから多様な業種の現場を含めたワークプレイスへと価値提供の領域を拡大し、人々の「“はたらく”の変革」に取り組んでいる。お客様への提供価値を “EMPOWERING DIGITAL WORKPLACES”として定め、OAメーカーからの脱皮とデジタルサービスへの事業転換を進めている真っ最中だ。創立100周年に向けた長期ビジョン「“はたらく”に歓びを」には、業務の効率や生産性向上、さらには働く人の充足感や達成感、自己実現につながるさまざまなチャレンジへの強い意志が表現されている。

 

こうした全社的な動きを受け、同社プロフェッショナルサービス部でも、業務生産性および顧客満足度30%向上を掲げ、具体的な取り組みが進められている。間接材購買業務の変革もその一つであり2019年から、間接材のコスト削減、業務の効率化、ガバナンス強化を目的として、SaaSをベースにカスタマイズした間接材購買システム「eGRIP」が稼働し始めた。アナログの仕事からデジタルの仕事へ、さらにはクラウド化へという時代の流れを背景に、紆余曲折の末にたどり着いたシステムではあったが、導入当初から“操作の難しさ”を指摘する声が挙がっていたという。

 

須賀氏は、「専門用語が使われていたり、不要な項目が残ってしまっていたり、入力必須項目がわかりにくかったり、マニュアルを参照しないと操作が難しく、初見で使えるユーザーはほとんどいません。しかも業務プロセスごとに細かく分けられたマニュアルは100ページを超えるボリュームで、調べたいことがどこに書いてるのかすぐに探せないような状況でした」と説明。

 

eGRIPのユーザーは、リコーグループの12社約19,000名。導入初期の段階で障害が発生した際には、ユーザーがまだ操作に不慣れだったことも手伝って、使い方に関する問い合わせと障害対応が重なり、サポート担当者には相当な負荷がかかっていた。FAQも整備してはいたが、有効に機能していたかというと十分ではなく、サポート窓口に寄せられる問い合わせにはFAQを見れば自己解決できる問題も少なくなかった。



株式会社リコー プロフェッショナルサービス部 間接材購買センター GPT推進室 室長 須賀慎太郎氏(左)
株式会社リコー プロフェッショナルサービス部 間接材購買センター GPT推進室 購買プロセス改善グループ 日景喬一氏(右)

 
 

 

「機能的に不足している部分の改修や、文言の細かい修正などは行っていましたが、優先順位として、操作性に関する改修はどうしても後手後手になってしまいます。そうなるとユーザーの満足度は思うように上がっていきません。これ以上システムの使い勝手が向上することはないとなると、慣れてもらうしか方法はないだろうと感じていました。」(須賀氏)

 

小手先の対応では限界がある上に、システム改修を重ねれば重ねるほどコストは膨らむばかり。システムリプレース以外に根本的な解決策はないと思われたところにWalkMeの紹介を受け、初めてデジタルアダプションツールの存在を知ることになった。他社比較を経て、最終的にWalkMeの導入を決めた理由を日景氏はこう振り返る。
「クオリティを重点的に評価しました。操作性の向上において、画面の見た目は重要です。WalkMeは機能が豊富で、システムに馴染ませたり、反対に目立たせたり、きめ細かな設定が行える点で優れています。また、ユーザー行動の分析機能も充実しています。最初から100点満点のコンテンツを設定できるとは考えていなかったので、実際のユーザーの反応を見ながら継続的に改善していける点でも期待できました。WalkMeを知ったとき、eGRIPの導入当初からこれがあったら・・・と心から思いましたね。」


 

導入にあたっては、一部のユーザーを集めてトライアルも実施。トライアル用に作成したコンテンツに実際に触れてもらい、十分な手応えをもって導入に踏み切ることができた。日景氏が、「思ったほど学習コストは高くなく、比較的スムーズに構築できた」とする実装作業は、システム導線上で明らかにわかりにくい箇所や、問い合わせの多い箇所、差し戻しにつながりやすい箇所をソリューションシートに洗い出し、優先度の高いものから順に着手。57あった実装項目のほとんどをリリースまでに間に合わせることができた。
「eGRIPがSaaSをベースにカスタマイズしたシステムであることで一部の機能が安定的に使えず、多少手こずる場面もありましたが、WalkMeのサポートの対応が迅速で、密に連携しながら無事に構築を進めることができました。」(日景氏)

 
 

 

導入後の効果を、「WalkMeで改善できるユーザーエクスペリエンスは、システムの根幹にかかわる部分ではないだけに、通常は後手後手になってしまいがち。つまりそれは、ユーザーが我慢すればなんとか乗り切れるからなんですよね。WalkMeなら、気づいたときに速やかに修正でき、簡単な改修であれば数時間で完了します。やりながら変えていけるスピード感、柔軟性は今までとまったく違うと感じています。システムそのもの改修を待っていたら、要件を提示してから半年以上かかってしまう」と評価する。

 

まだ導入率が30%程度であるため単純にWalkMeの効果として評価するのは難しいが、問い合わせ件数は前年比で30%程度減っており、ユーザーの評価も高い。紙のマニュアルを参照したり、いったん別のアプリケーションに遷移してから入力したりといった手間が省け、システムの操作時間が短縮されたというユーザーの声も届いている。

 

 
 

まだベーシックな使い方しかしていないとしながらも、同社では、本稼働後もさらに使い勝手のよいシステムを目指してアップデートを続けている。たとえば、もっとも最近リリースしたのは、スマートチップスとスマートウォークスルーの機能を組み合わせて自動入力させる仕組みだ。間接材の購入において1社のみからしか見積りを取っていない案件に対し、仕入先の選定理由をフリーコメントで記入してもらうのではなく、選択肢から選んで回答するスタイルへと変更。2社購買を推奨する購買部門として、選定理由の実績を定量的に把握するための改修である。併せて、ユーザーに対し、この項目への回答が必要な理由を周知する狙いもあった。

 

また、業務に不要なボタンを使えないように設定できるのもWalkMe実装のメリットの一つであるが、押しても使えないボタンを押したときにポップアップブロックが発生する旨をユーザーに通知し、解除方法を画像付きで説明するなど、ユーザーの迷いを減らすための細かな設定にも役立てている。

 

 
 

 
 

 

「WalkMeには、かゆいところに手が届くだけの十分な機能があるので、今後は“いかに使いこなせるか”が試されるのかなと思っています」と語る日景氏は、特に自動化の強化に関心を寄せている。現在はステップバイステップでのガイダンス機能の活用が中心となっているが、システム操作に慣れていない人にとっては、WalkMeのオートメーション機能を活用した自動入力、アクションボットを活用した対話形式での自動入力などの操作支援が有効と見ている。

 

一方で、WalkMeが収集するユーザー行動データの分析も課題の一つである。現状は一部の分析に留まっており、改善の余地を認識しつつも具体的なアクションにつなげられていないが、インサイト機能による継続的な改善への取り組みはeGRIPの活用支援に欠かせないと考えている。こうしたWalkMeの使い方の深化と併せて、対象領域を拡大する動きもある。eGRIPの経理分野の機能にWalkMeを実装していく計画があるほか、購買の承認プロセスに関わるシステムへの実装を望む声が挙がっているという。さらに、直接財購買部門やグループ会社からも関心が寄せられている。自ら実践し、成功事例を作ることで、その変革への取り組みが社内外へと拡がろうとしているのだ。

 

「満足度を高めるために、システムをより使いやすいものにしたいという思いは共通です。eGRIPそのもののメリットを最大化するためにも、すべてのユーザーにWalkMeのメリットを届けたいですね」と須賀氏。購買部門が掲げる業務生産性および顧客満足度の30%向上という目標のもと、引き続き導入率100%を目指してユーザー支援を行いながら、WalkMeの機能を余すところなく活用してeGRIPの価値を最大限に引き出していく。

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